助成金|従業員が怪我や病気で障害認定されることになった場合

今回ご案内するのは、従業員の方が、怪我などで障害認定されることになった場合のための助成金です。

このようなことは、採用時には予想もしていないことでしょう。しかし、肉体労働の現場では常に、そうでなくとも、不慮の事故などで、起きてしまう可能性のあるものです。

通常、従業員の補充を考えなければならないことが大半でしょう。引継ぎを経て退職させてしまう、そんな会社も少なくないのが現実かもしれません。

ただ、経営に少しでも余力がある場合には、退職させずに、業務内容を制限して、継続して働いてもらう方がいい場合が多いです。

継続して働いてもらう様々なメリット

1.スムーズな引継ぎ

その方を辞めさせる場合、新しい人を雇って、経営者や上司が教えることになる場合が少なくないでしょう。

しかし、通常、経営者や上司は、引き継ぐべき仕事・作業をしてきた人ではありません。経営者や上司が、その範囲を上手に実演できるとも限りません。ですから、経営上、時間効率が悪いのです。

加えて、その作業を実際にやっていた人は、「〇〇社長は、こういうところ気にするから気を付けてね」等、作業者としての視点を伝えられます。しかし、経営者や上司は、そういうことを伝えるのは、構造上容易ではありません。やはり、旧担当者が指導するのが理想的です。

さらに、新人には通常、高いプレッシャーがかかります。「同じ業務を実施していた人に、いつでも気軽に相談できる」という価値は絶大です。

新しい方が、スムーズに業務に入っていき、仕事を進められるように。また、一番気軽に相談できる相手として。旧担当者が会社に残っている価値は絶大です。

2.人材強化

あらゆる組織で、「優秀な人材を流出させない」ということが重要です。

障害者は、経営が悪化した場合に、切られてしまうリスクの高い存在でもあります。そのため、業務を限定してでも継続雇用できれば、一般の従業員よりもむしろ、高いパフォーマンスを発揮してくれる場合が少なくありません。

後天的に障害を負った場合、本人にとって、様々な面で再就職先探しは大変です。そういう意味では、本人が仕事を継続したい場合、会社は、自分を救ってくれた存在でもあります。お互いにWin-Winな関係を築ける可能性は低くはないのです。

3.コミュニケーション強化

一番大変なのは、障害認定された従業員の方本人です。そのような自分の体に慣れるのに、長い時間がかかります。だからこそ、業務の負荷・負担は下げておくべきです。

その代わり、様々なこと、様々な人に目を向けてもらう、そういうことに腐心してもらえるようになると理想的です。

どんなに従業員のことに気を遣っている職場でも、「不満が一切ない」なんてことは、到底ないはずです。そういう不満をしっかり吸収して、「でも、いい会社だから、一緒に頑張ろうよ」と諭してくれる存在が、どんな組織でも重要です。

キレイゴトのように聞こえるかもしれません。しかし、ハローワークの公式パンフレットでも、このように書いています。

雇用している障害者が働きやすい環境を整備することで、意欲、能力を十分に発揮させた上で、長期的に雇用することができ、ひいては事業の生産性を高め、優秀な人材を確保することにつながります。ぜひ、この制度をご活用ください。

『優しい職場』作り。従業員全員で、仲間のために頑張ることで、真に良い職場を作ることができるかもしれません。

4.費用の負担を緩和する制度

上記のように、障害者となっても、雇用を継続するメリットは低くありません。

ただ、人件費というコストが発生することは否めません。また、例えば、車椅子生活を余儀なくされるのであれば、スロープの設置など、様々な観点から準備が必要なるか

もしれません。

そういうコストについては、国の制度を利用して、上手に費用負担を緩和しましょう。今回ご紹介するのは、『障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)』です。


助成金の全体像

全部で7つの措置

この助成金には、全部で7つの措置があります。

  • 柔軟な時間管理・休暇取得
  • 短時間労働者の勤務時間延長
  • 正規・無期転換
  • 職場支援員の配置
  • 職場復帰支援
  • 中高年障害者の雇用継続支援
  • 社内理解の促進

このように箇条書きされていても分かりづらいでしょうから、分類してみます。

職場環境に関する措置

  • 職場復帰支援
  • 中高年障害者の雇用継続支援

この措置では、『雇用継続のために必要な職場適応の措置を行うこと』に対して助成が行われます。

具体的には、支援するための機器を導入したり、職種の転換を行ったりした場合に助成金が支払われます。

※『職場復帰支援』の措置より(内容は共通)

なお、支給上限額は、『職場復帰支援』が72万円、『中高年障害者の雇用継続支援』が70万円となっています。内容が類似するため、併給はできません。

雇用条件に関する措置

  • 職場復帰支援
  • 柔軟な時間管理・休暇取得
  • 短時間労働者の勤務時間延長
  • 正規・無期転換

『職場復帰支援』は、前項目で紹介した通りです。ただし、前項目で紹介したのは、『職務開発等』の取り組みを行った場合の助成でしたが、『労働時間の調整等』を行った場合でも、この助成は受けられます。

職場復帰支援 柔軟な 勤務時間延長 正規・無期転換
72万円 8万円 54万円 120万円
労働時間の調整
特別な有給休暇
勤務地の変更
労働時間の調整
特別な有給休暇
労働時間の延長 無期・正規雇用

※いずれも上限金額

なお、『職場復帰支援』『柔軟な時間管理・休暇取得』については、内容が重なるので、併給することができません。

労働時間の調整に関しては、『職場復帰支援』では、『医師の意見書及び対象労働者の同意』が必要です。『柔軟な時間管理・休暇取得』では要件とされていません。

人間関係等に関する措置

  • 職場支援員の配置
  • 社内理解の促進

こちらは、職場支援員を配置したり、社内で講習を行うなどして、障害者が職場内で働きやすいように、障害者の勤務に対する理解を促進したり、障害者の勤務をサポートしたりする場合に、助成を受けられます。

職場支援員の配置 社内理解の促進

20~30時間 30時間以上
48万円 96万円 12万円

※いずれも上限金額

上記に記載した『20~30時間』『30時間以上』については、対象となる従業員の週所定労働時間についての区分です。週20時間以下の方については、対象外となります。


助成の手続き

『職場定着支援計画』

まずは、『職場定着支援計画』を作成しなければなりません。全ての『措置』において、この『計画』の書面が必要となります。

『計画』は、事前に承認を受ける必要があります。実施1か月前までに作成し、ハローワークに提出しておきましょう。

措置の実施と支給申請

それぞれの『措置』について、実施したら、期日までに支給申請を行います。イメージとしては、半年に1回支給申請を行うイメージです。

必要な書類は、『措置』ごとに異なります。

従業員に関するものは、『雇用契約書又は労働条件通知書』『賃金台帳』『出勤簿』等が必要です。

外部委託等に関するものは、『領収書』『明細書』等が必要です。


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