キャリアアップ助成金(正社員化コース)活用のポイント

『正社員化』だけでOK?

『キャリアアップ助成金(正社員化コース)』は、言葉の通り、従業員を『正社員化』するだけで、通常57万円もらえます。

ただ、『正社員化』するまでに、通常半年間は、『非正社員』として働く期間を設けなければなりません。そうだとすれば、この間に、もっと別の補助金・助成金をもらっておくことができるわけです。

最有力は『人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)』

この制度は、『非正社員』の人件費を、最大半年間分まで補助してくれる制度です。通常、約50万円(760円分×680時間)の補助が受けられると思っておけばよい制度です。

  • まずは『人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)』で50万円の補助を受ける
  • 次に、『キャリアアップ助成金(正社員化コース)』で57万円の補助を受ける

という使い方が可能です。さらに、申請書類も似ていて、非常に申請しやすいです。

何でこんなに使いやすいのかというと、元々は1つの制度として生まれたからです。

当初、『若者チャレンジ奨励金』として生まれました。それが、半年後ぐらいに、『キャリアアップ助成金』の『人材育成コース』と『正社員化コース』になりました。

『人材育成コース』は、2018年に再編成され、現在は『人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)』となりました。

元々は1つの制度で、併用するように作られていました。名前は変わっても、補助の内容はほとんど変わっていません。だから、今でも併用しやすいのです。

『小規模事業者持続化補助金』も併用化

『小規模事業者持続化補助金』にも、『雑役務費』という形で、人件費補助の仕組みがあります。通常最大50万円の補助が受けられます。

実は、一番上手な使い方は、以下の順番で使うことです。

  • まずは『小規模事業者持続化補助金』で人件費補助の補助を受ける
  • さらにその後、『人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)』の助成を受ける
  • 最後に、『キャリアアップ助成金(正社員化コース)』の助成を受ける

こうすることで、従業員1人に対し、標準でも160万円程度の補助が受けられることになるのです。

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”最小限”の就業規則?

社会保険労務士法人で就業規則作成の責任者をしていた時、お客様によく相談されたのが、「就業規則が必要なら、最小限で作りたい」というものでした。

最小限=法律で求められているものだけ?

就業規則の『最小限』って、実は、とっても簡単なんです。おそらく、外注しなくても、誰でも作れます。

絶対に書かなければならないこと
  • 始業終業の時刻・休憩時間・休日・休暇 等
  • 賃金(計算・支払方法・締切・時期・昇給 他)
  • 退職・解雇 等
制度にするなら書いておく必要があること
  • 退職手当・賞与 等
  • 食費・作業用品などの負担 等
  • 安全衛生・職業訓練 等
  • 災害補償・業務外の傷病扶助 等
  • 表彰・制裁に関する事項 等
  • その他全労働者に適用される事項

休憩時間の書き方など、「こう書いておいた方が良い」というものはありますが、基本的に、誰でもすぐに書けるはずのものです。

また賃金についても、気を付けるべきは手当の設定方法ぐらいです。実際に支払う以上、何日に締めて、何日に支払うのか、どうやって支払うのかを書いておけばいいのです。

退職や解雇については、本当はしっかりカスタマイズすべき内容ではありますが、『最小限』で作るなら、世の中のテンプレートでも問題ありません。

法律で求められている内容は、この程度でしかないのです。

慣れた弁護士・社会保険労務士なら、10分の聞き取りで作成できるレベルの内容なのです。

外部に依頼するより、自社で準備した方が良いでしょう。

きちんとお金を払って作るなら

大切な視点は、『会社のリスク回避』です。

昨今、従業員由来の様々なトラブルがあります。そのようなトラブルに対して、会社の責任割合を現実的に減らせるような、上手な条項づくりをしておく必要があります。

  • 従業員が第三者に怪我・損害を負わせた時に、「業務外の行為である」「禁止行為である」と言えるように、きちんとルール化しておく
  • 従業員同士のトラブル(パワハラ・セクハラ含む)に対して、会社がどう動ける内容、動けないようをしっかり決め、「会社は、できることはきちんとやった」と言えるようにしておく
  • 従業員のSNS利用に関して、『禁止行為』と『利用ガイド』を周知し、「会社の責任ではなくて従業員固有の責任である」と言えるようにしておく

大切な視点は、民法715条(使用者責任)に配慮することです。

  • 従業員が業務上、誰かに損害を与えた場合、会社も責任を負う
  • 会社の責任割合が小さくても、通常、会社はいったん、全額支払う責任を負う
  • 会社は、自分の責任割合を超えて損害賠償した場合、従業員に請求できる

従業員への請求のことを、『求償権』と言います。この『求償権』の行使のために、会社は、ルールをきちんと定めて、会社の責任割合を下げる努力をしておくべきなのです。

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